★「おかんとおとん」先行予約販売・特典つき

人気作「おかん」「おとん」の続編
「おかんとおとん」が2016年の4月に発売されます!
(平田昌広・作 平田景・絵 大日本図書 予定価格1500円)

発売に先駆けて、先行予約の受け付けスタート!
★作家のサイン&えほん館オリジナル特典つきです★

サインはイラスト入りで、まるで一つの作品のようです。
ご希望に応じて宛名も入れてくださいます。
えほん館オリジナル特典は「描きそんじ原画」です。
原画は普段目にすることは出来ますが、
「描きそんじ原画」はめったにお目にかかれません(笑)
いえ、本当にプレミアものです。

2016年3月20日 予約締め切りです。

ご希望の方は、下記の申込用紙にご記入の上、
FAXまたはメールでお送りください。
FAX(075)383-4810
メール ehonkan1987@yahoo.co.jp
お電話でのご予約も承っております。
TEL(075)383-4811

またとない機会ですので、どしどしお申込みくださーい♫

★えほん館おかんとおとん予約票

3月の講演予定

1日(火)  京都府 城陽市北部コミュニティセンター (一般参加可)

2日(水)  京都市 吉祥院こども診療所 (一般参加可)

4日(木)  京都市 大原野幼稚園「ピッピクラブ」

5日(金)  京都市 修学院第二児童館

9日(水)  京都市 朱雀第七小学校

11日(金) 京都市 安井児童館 (一般参加可)

24日(木) 京都府 与謝野町立図書館「読み聞かせ講習会」

28日(月) 京都市 鏡山保育所 (一般参加可)

「王への手紙」

不完全燃焼!
昨日は、京都私立朱雀第四小学校へ保護者の方にお話に伺いました。
普段は絵本の話をする事が多いのですが、今日は「読書」についての話だったので、
読み物(児童書)の話も出来るとウキウキして出かけて行きました。
ところが・・・
本の話をすると止まらなくなる私。
頂いている1時間半が足りなくて、大好きな「王への手紙」の話が出来ませんでした。
久しぶりに児童文学を伝えられる機会だったのに。
そこまでたどり着かなかった(泣)
不完全燃焼なので、ここに書くことにしました。

「王への手紙」上・下 トンケ・ドラフト作 西村由美訳 岩波書店(中学生~)
は、私の生き方を変えた大切な本です。

ーーー 騎士になるための最後の試練の夜。16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。。。---

10年前に読んでから、確実に人生が変わりました。
私の好きな冒険ものなので、読み始めたら止まらなくなる面白さでした。
ラストも素敵でした。

読み終えて幾日か経った頃、ハッとしたのです。
「たった16歳の少年が隣の国の王様に内密の手紙を届けるなんて、とても出来そうにない事をやる羽目になったけど、ティウリがやった事は、いつも「目の前のこと」に対してだけやったんちゃう!?」
途方もない目標へと矛先は向けているけれど、彼がやったのは「今、自分の目の前にある事をどうするか」。
ただそれだけ。
それが結果へと結びついていく。

彼に出会うまで、夢を持ったり目標を持ち計画を立てることばかりが大事だと思って生きていましたが、そうではなく、「今、自分の目の前にある事を精一杯やる」事が大切な事だったと、彼から気付かせてもらいました。

その時から、私の仕事の仕方は変わりました。
「損得」を基準にしなくなりました。
大きな仕事であろうが雑用であろうが、目の前にある仕事を目の前にある順にやっていくようになりました。
すると、暇だった当時は、「今日の仕事」が午前中で終わってしまいます。
そしたら午後には「今、見えている明日の仕事」をやりました。
次の日には「今、見えている今週の仕事」をやりました。
その次の日には「今、見えている今月の仕事」をやりました。
すると、「今、見えている未来の仕事」が全部終わってしまいました。
もう、やる事はありません。

どうしょ・・・やる事なくなったで。

その時電話が鳴り、仕事が入って来ました。
しばらくするとまた電話が鳴り、別の仕事が入って来ました。
次の日も、また次の日も。。。

それ以来私は過去にやっていた「目標設定」を完全に止めてしまいました。
私の場合、自分の設定よりも「お任せ」の方が、はるかに面白い人生になっていきます。
私が考えられない素敵な所へ導かれていきます。
でも自分に正直である事は大事です。
「こんな風になりたいな〜♫」という「設定」をして、あとはお任せ。
やる事は「今、目の前にある事」だけです。
目の前にある事が、自分の設定とかけ離れた事のように思えても、
実はそうではないんですよね!
全ては完全に結びついていくのです。ある一点に向かって。
すごいです。感動します。

私はティウリから「宝物」になるメッセージをもらいました。

もちろん、世の中の人がみんな「王への手紙」を読んだら大きな「宝物」をもらえる、
なんてことは全く思いません。
そうではなく、
児童書っていいよ。すごいよ。素晴らしいよ。
という事が言いたいのです。

「生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送るのが児童文学」

有難いことに、私はエールを送られ続けています。
「物語の力」のおかげで何度人生を救われたことか。

「物語の世界」は遊びに行くところです。学びに行くところではありません。
だからこそ、素敵なことが起こるのです。。。

(ちょっと、スッとした。)

王への手紙トンケさんの挿絵もいい!

 

記憶

20年近く前になるでしょうか。
マーガレット・マーヒーの「ゆがめられた記憶」(岩波書店)という本を読みました。
自分のせいで友人が死んでしまった事を忘れたい少年と、昨日までの事を少しでも覚えておきたい老婆とが出会う物語です。
ちょうどその時、友達からテレビ番組の「世にも奇妙な物語」の記憶の話を聞きました。
確か、お金を得る為に自分の人生の記憶を売っていくという話でした。

忘れたい人と忘れたくない人。
そして、忘れてしまったら自分が何者か分からなくなった人。

その時、人生は「記憶」ではないかと思いました。。。

私の大好きな絵本作家は、講演でいつもおっしゃっています。
「今、この時、ここにいる皆が同じ体験をしていると思っていませんか?
 違います。
 私から見るこの景色と、皆さんからみる景色は違うんです。
 同じ場にいても、見てるものは同じではないんです。」と。
同じ体験をしているようで同じではない。
本当は一人一人全部違うんですね。

昨年の終りに、昔の友達が訪ねて来てくれました。
会うのは30年振りでした。
いっぱい遊んでいっぱい同じ時を過ごしたのに、
失礼な事に、最初私はほとんど何も覚えていませんでした。
話していくうちに少しずつ記憶がよみがえりましたが、
一つだけ物凄くショックなことがありました。
ユーミンのコンサートに連れて行ってもらったことを覚えていなかったのです!
常々私は「一回でいいし、ユーミンのコンサートに行ってみたいわ〜」と思っていました。
行ったことがある友達には「いいな、いいな〜」と言っていました。
それなのに・・・
30年前に行っていたのです!

なんで???? なんでその記憶が無いの??????

ショックでした。かなりショックでした。本当にショックでした(笑)
大好きなユーミンのコンサートに行った事を覚えていなかったなんて・・・
もし友人が訪ねて来てくれなかったら、
私の人生にユーミンのコンサートは存在しなかったのです。
きっと他にも、こんな風に大切な事を忘れてしまっているのだとしみじみ思いました。
忘れてしまっている事すら気付かずに、存在しないこととして・・・

自分はこんなにもあやふやな中で生きているんやなぁ。

人は自分勝手に見て、自分勝手に感じて、自分勝手に記憶していくのです。
そしてそれを自分の人生と思っている。
なんてあやふやな人生なのでしょうか(笑)
でも、面白い。だから面白い。
記憶を失くしてしまったら自分をも失くしてしまう環境にいるから、
「今、目の前」を大事にしたい。
きっと多分、それが全て。
私たちは尊い瞬間を生きているのですね。。。

いつか記憶にないユーミンのコンサートに、もう一回(?)行ってみたいと思います。
友達と一緒に(笑)