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「北の国から」で・・・

 年が明けていつからなのか、BSで「北の国から」の再放送がやっています。
気が付いて最初に見た時、心は父のもとへと飛んで行きました。
五郎さんを見ていると、自然と父の事を思い出すのです・・・。

 今から20年程前、私は離婚しました。
両親には何も相談せず、大きな変化の約2年の間、両親に伝えた言葉は、
「別居するし」「離婚するし」だけでした。
 当時私は父を大の苦手としており、仲が良いとは言えませんでした。
父と話す時はいつも緊張していました。
でも結婚してからは、「彼」と父がとても仲良しだったので、そのお陰で私も楽しく父と会話することが出来ていました。
父は「彼」の事が大好きだったのだと思います。
そんな父のお気に入りの「彼」と、一方的な私の勝手で離婚することになった時、
私は父に怒鳴られると思っていました。
ところが、父は何も言いませんでした・・・。

 正式に離婚してから、私は実家に帰るのが嫌で嫌でたまりませんでした。
でも放っておくわけにもいかず、ある日勇気を出して帰りました。
せめて母がいてくれれば良かったのに、そんな時にかぎって母はおらず、
離婚後初めて実家に帰ったというのに父と私の二人だけ。
数年振りの「二人だけ」が、よりによってこんな時だなんて!
父は目がほとんど見えないにも関わらず、ミシンで何かを縫っていました。
私を見ることもなく、普通に自分の作業をこなしていました。

「お父さん、ただいま・・・」
・・・(ダダ、ダダダダ、ダ)・・・

私は黙って父の作業を見ていました。
父は自分のズボンのウエストを直していました。
太ったからボタンがとまらなくなったみたいで、太った分だけ別の布を足して縫っていたのです。
その時、人生で初めて味わう種類の感動が込み上げてきました。
いまだに上手く言葉で言い表せないのですが。。。

 私は「そういう事」があまり好きではありませんでした。
貧乏くさい事が。
いえ、貧乏な家庭だったから嫌だったのでしょう。
新しいズボンを買えばいいのに。
それくらいのお金は今は充分あるのに。
「ぶさいくやなぁ・・・」
「恥ずかしいなぁ・・・」
 ところがその時、初めて気付いたのです!
黙って父の手元を見ながら、
つぎはぎの布が縫われていくのを見ながら、

ああ、この人は、なんて事をしてるんやろ!
なんて、尊い事をしてるんやろ!

「物を大切にする」なんてそんな事ではない、もっと大切な事、もっとすごい事。
命あるものとしてとても尊い、愛おしい事。。。
なんやろ・・・。
そんな初めての感動が込み上げてきたのでした。

 今でもあの時のことは、リアルな感覚で私と共に生きています。
父はすごい人だったのだと、それまでとは違う意味で感じた瞬間でした。
地位や名誉やお金や業績や、人生で何を成し遂げたかとか、そういう類のすごさではなく、
それらがどうでもよくなる「すごさ」でした。。。

 大人になってから、父と本当に向き合う事が出来るようになったのはあの時が始まりだったと、今でも思います。
五郎さんを見ると、あの時の事がよみがえります。
父は五郎さんよりもずっと男前でしたが(笑)、似ているところがいっぱいあります。
五郎さん、いいな〜
「北の国から」いいな〜