歳をとると涙もろくなる

「歳をとると涙もろくなる」
昔からよく言われていますが、私はその通りだと思います。
いえ、私がその路線にハマってます。
それは「経験」が増えるから。「記憶」が増えるから。
「想い出」が増えるからだと思います。
いえ、思っていました。
映画を観たり、本を読んだり、テレビを見たり、
人の話を聴いたり、あかちゃんや子ども達の笑顔を見たりした時に、
思わず泣いてしまう事があります。
ふと見上げた空に、花や星の美しさに、だれかの声に、泣いてしまう事があります。
いろいろ沢山ありますが、中でも私は歌に弱い!
好きな歌を聴くと、もうダメです。
最近は歌番組を見ないようにしている位です。特に昔の歌は。
古賀政男やフランク永井まで昔ではありません。
かぐや姫やイルカや松山千春やチューリップ位の昔です。
今日まで生きて来れた様々な出来事が一瞬で甦ったり、
旅立った父や大切な人や友人が出てきます。

人は「記憶」で生きている。

私はそう思っているのですが、
どんどん記憶を失くしていく母も、涙もろくなっているのです。
記憶の量は依然と全く違います。
昔の事を忘れ、昨日の事を忘れ、お昼ご飯に食べたものを忘れ・・・
まさに、今に生きている感じです。
「記憶」を、「想い出」を、どんどん失くして行くのに涙もろくなっているのは、
なんでなんだろう・・・。
頭では思い出せない、頭では認識出来ない「記憶」が、あるのだと思います。

頭で覚えている記憶ではない、花田睦子として生きた記憶ではない、
生き物としての「記憶」?宇宙の「記憶」?
みたいなものがある事を改めて感じる今日この頃です。。。