<私の大切な一冊>

「ハルばあちゃんの手」(福音館書店)
山中恒・文 木下晋・絵

一人の人の一生は、なんと、尊いものなのか・・・。

何かを成し遂げたとか、どんな影響を与えたとか、ではなく、
「生きた」だけの人生が、世間での「評価」をすべて超えるものであると、この絵本は私に語りかけてくれる。。。

ハルばあちゃんの一生は、決してテレビドラマになるような派手なものではないけれど、戦争時代を経て生き抜いた、素朴で純粋な人生を、私は尊敬せずにはいられません。
ここにストーリーを書きたいと頑張りましたが、何度も書き直して結局書けませんでした。(文才が欲しい!!!)

ただの一人の人の人生が描かれた絵本です。
それを「手」で表現している、素晴らしい絵本です!

愛する人を待ち続け、添い遂げ、商売が時代の波にのまれても抗わず本当の幸せを見失わなかった、ハルばあちゃん。

沢山の言葉と、沢山の時間を、たったこれだけの文字と絵で描ききっていることにも感動します。
大人の方に、読んでもらいたい絵本です。。。

*表紙の絵が・・・
ハルばあちゃんの子どもの時の手と、おばあちゃんになってからの手とが、一つになろうとしているようで。そこに在るもう一つの「モノ」が、二つが一つであることを見守っているようで。。。

えほん館さんの写真