「月にハミング」

「月にハミング」
マイケル・モーパーゴ作 杉田七重訳 小学館 中学生から大人

私はちゃんと生きれているのだろうか・・・

「ちゃんと」って何かな?
人によって違うけど、「周りや社会がどうであろうと、自分が大切だと思う事を大切に生きているか」という事です。私にとっては。
私の知り合いは、まさにそういう生き方をしていました。
自分が大切だと思うもの・・・
人を愛することや人を信じること、「おかしい」と思う事には相手が誰であっても「おかしい」と言い、世間からは受け入れられない人でも自分の哲学を基準に受け入れる。
弱者には限りなく優しく、その事に最後まで責任を持つ。
自分の身を削ってでも・・・。
文章にすると「素晴らしい人」という感じがしますが、実際にこう生きている人は、
多分世間的な一般評価は高くはないと思います。
地位も名誉も財産も、何もないのですから。
いえ、目立つようなものは何もないのですから。
最も本人は「他人の評価」など人生の基準には置いていないのです。
世間の評価の基準こそを変えるべきだと思っている人でした。
私も全く同感です。
キツかったやろな・・・。
それでも、そういう生き方しか出来ない人がいる。
そしてそれに出会った人は、
「大切な事を見失わずに生きていこう!」と思ってしまうのです。
壁にぶつかった時、答えを貰えるのです。
勇気を貰えるのです。
目の前の愛する人を大切にしようを思えるのです。
自分に恥じないように生きようを思えるのです。

この本を読み終えて、私の中にそんな事があふれてきました。。。

「希望の海」でハマったモーパーゴの最新作がこの「月にハミング」です。
「戦争の悲劇と感動の秘話」と帯に書かれていますが、それらを通して、
「行い」の素晴らしさを感じました。
もちろん、その根底には「意志」があるからこそですが。

新しい言葉も貰いました。
「記憶は神の恵み。おぼえているのがあたりまえではないんだって、(後省略)」
大切に想う人の事を忘れられないのは「恵み」だったのですね。

「ウィートクロフト家の家族や、メリー・マッキンタイアや、ヴィルヘルム・クロイツのような人間がいるかぎり、この戦争が終わったら、また世界は幸せな場所にもどるにちがいない。」
今も、この時代もそうだ!と思い感動しました。。。
(これについては読んでみてください)

これが実話だと知りビックリしました!
作者自身の物語なのです!

月にバミング